2008年 05月 14日
母の日を終えて |
今年はじめて花屋さんのスタッフとして母の日を経験した。
小学生の男の子が、貯金箱から出してきたのであろう小さく折りたたまれた千円札を出して、
三千円、五千円、一万円の花を買う大人を掻き分け、
恥ずかしそうに
「カーネーションの花は買えますか?」
と、来てくれる。
「メッセージカードにメッセージ書きますか?」
と尋ねると
「はい」
と、
カードを受け取ると20分ほど考えてカードに大きな字で、とめ、はね、はらいが、基本に忠実な字で
「いつもありがとうございます。これからもよろしくお願いします。」
と書いた。
このカードを見ただけでもう私は涙がこぼれます。
決して大きくはない花束を受け取ると
「自転車で来たので、袋もらえますか?」
と、
少年はカーネーションの花束の入ったビニール袋を自転車の前かごに入れてほっとした顔で帰って行った。
また、独身らしい二十歳前後の男性が、九州に住む母親に宅配で送りたと。
「お盆には帰ります。体に気をつけて」とメッセージ。
この男性は彼女の誕生日には花束贈ったりもするのかしら。
でも、今日はとても照れくさそう。
いいなぁ~素朴で。
彼女に一万円で、誕生花の花束を贈る男性も素敵です。私ももらえばうれしいですが・・・お母さまに、照れくさそうに花を贈る男性も素敵です。
私は華道家として幼いころから花に携わってきました。
しかしそれはみな自分のための華でした。
自己顕示欲かな・・・
誰かのために自分の気持に添えて花を贈る
なんて素敵なことでしょう。
どんな偉い教授の華も
あの少年が抱えて持って帰った花束の美しさには敵わないでしょう。
遠くに住む母を想う心で贈られた寄せかごの花々の美しさには勝てないだろう。
街の花屋さんの仕事はなんと素敵な仕事なのでしょう。
今年の母の日は本当の花の美しさを知ることができた素晴らしい日でした。
私はこの心を大切にした”人の心を生けることのできる花人”になりたい
と、思いました。
by maryrosa8783
| 2008-05-14 21:39
| 思い