2007年 09月 24日
究極の引き算にみる美しさ |
本日やっと池坊の作品をアップさせて頂きます。
池坊では代表的な「かきつばとふといの魚道生け」です。
かきつばたとふといの二株いけで、その間はまさに小さな魚が泳ぎとおり抜けるくらいあけていけます。
この花材は初夏に扱うものですし、この生け方も初夏の生け方です。
かきつばたはもちろん初夏の花ですが、池坊にはかきつばたお生け方には、春夏秋冬季節によって生け方がそれぞれあるのです。
ただし、この季節普通の花屋さんで、かきつばたを手に入れることは難しいと思います。
さて、華道の中でも池坊はいけばなの根源と呼ばれ400余年の歴史があるとされています。
京都の六角堂にその由来がはじまります。
室町の時代から今も絶えずに継承されてきたのにはそれなりの理由があると思います。
簡単にいえば、伝統はかたく守りつつもその時代に時代に沿ったものを柔軟に取り入れてきたことにあるのだと思います。
そして、今も池坊は成長し続けているのです。
フラワーアレンジメントが足し算のいけばなとすると、池坊は究極の引き算といえるでしょう。
必要なものだけをしっかり残す。
そこに空間の美しさを活かされていく。
今モノが溢れてきた時代から、地球環境のために我々の生活は見直さなくてはならない時期がやってきました。
必要なものだけを残す。
自ずと大事なもの、残るべくして残ったものがあるのです。
それが真に美しいものと呼ぶにふさわしいと私は考えます。
いわゆる日本でいうフラワーアレンジメントといけばなは全く違うものです。
私はどちらも大好きです。
それぞれの良さがあります。
どちらが良くてどちらが良くないというものでは決してありません。
今、私はいけばなの根源池坊を通して考えることは、木の葉一枚鋏で落とす時の勇気は業そのもで、昨日今日にできるのもではない
研ぎ澄まされた感性と集中力が必要です。
そして、絶え間ない精進、修行だと思います。
これが華道が道である由縁であり、400余年という長い歴史を持つことになった一つの要因と思います。
この精神を学ぶにも、まだまだみたない私ですが、生涯掛けて華道とは・・・を求めて行きたいと思います。
by maryrosa8783
| 2007-09-24 01:47
| 池坊